佐渡Aタイプ S3.8km B190km R42.2km 最後を振り返って

Runの走り始めからいきなり痛みが来た。
足の裏の両端が痛い。それも両足。Bikeの時から違和感があったが一体何?って感じ。スタートから4km、足を引き摺りながらも集中力だけは途切れていないので、一人一人パスしていく。途中、足を引き摺る自分に一人の交通整理をしていたマーシャルが「絶対帰ってこいな!」と、声を掛けてくれた。見かねた挙げ句の咄嗟の応援だったのだろう、初めて聞いたセリフだったが、それだけ痛々しい走り方をしていたのだろうか。ただ、この一言でどれだけの勇気を貰ったことか。頭の中では「何があっても帰ってやる!」と、心に決めた瞬間だった。
その後家族の応援でも元気を貰い、エイドステーションで足にたっぷりと水を掛けると徐々に痛みは和らいでいった。
結局、この後は35kmまでは持ちこたえが、お腹に溜まったガスがそのまま腹痛を引き起こし、水分を補給する度に腹部から激痛、最後は水分を摂りたくても摂れない状況になり、半分脱水気味のまま走り続けた。喉はカラカラ、お腹の中では消化されない水分が、タプンタプンと音を立てている。
Run5時間強。おそらくワーストに近いはず。精も根も尽き果て足を動かすしかなく、家族には夕食の時間が少なくなってしまうことに申し訳無い気持が高まり、「父さん、今日は撃沈だぁ」と元気無く残りの数kmを走っていた。
最後のメインストリートの商店街に入り、みっともない走りは出来ないなぁ、なんて思っていたその矢先、何処からとも無く「J-BEATガンバレ!ラストスパート!!」って声が掛かる。そう、今回何度なく耳にした応援。どの大会でもそうだが、ゼッケンからプログラムで名前を探し直接応援してくれることも多いが、今回は圧倒的にチームの名前で応援してくれる機会が多かった。応援を受けると、どれだけの勇気と、チームの名前の重み、そんな思いが交錯し気合が戻ってくる。代表の実績もさることながら、様々な大会で輝かしい成績を残すJ-BEATのメンバーのお陰で、今や全国区のメジャーチームになっている我がチーム。そんなユニフォームを着て走ることが出来る幸せと、チームの皆に後ろを押してもらっている感覚から最後の力が沸いてくる。
ゴール会場の歓声が段々と近づき、最後は元気に走り抜こうと力が出てくる。最後のトラックに入った瞬間、息子2人が待っていた。「ゴメンなこんなに遅くなっちゃって。。一緒にゴールしよう!」と声を掛け、長男とは手を繋ぎ、次男は抱っこのまま、200m程走り3人でなんとかゴール。。いつもならゴール後は気が入っているのでピンとしているのだが、この時ばかりはさすがにイスに座り込み、しばらく立ち上がることが出来なかった。あぁ、心底疲れ果てたなぁ。。。。と。そんな長い一日がようやく終わった。。皆ありがとね!
ホテルの夕食時間が迫り、疲れている場合ではないので速攻でBikeを回収、そのまま車に乗り込み一路ホテルへ。風呂へは長男とゆっくり入り、泥のように眠りたい感覚。長かったが、一秒一秒自分に問い掛け時間を見つめ、自分の体と会話を続けた今日一日。湯船に入った瞬間、Bikeで摺れたオマタが悲鳴を上げる。よく頑張ったなぁ、この体。。お疲れ様と、最後にたった一本の缶ビールで労いをしてあげ眠りに着きましたとさ。。
随分と長ーい回想録のようになってしまったが、来年に期する想いから記憶に残っているだけでも詳しく残しておこうと思いこんな長文3部作になった。レース前後に出会った様々なヒト。頂いた勇気と元気を無駄にすることなく、これからのオフを過ごしたい思いでこの”振り返り”を終わりに致します。



来年は必ず明るいうちにゴールするからね!抱いてる次男が結構重く、実は辛かったゴールテープを切る瞬間。。