バラモンキング 五島長崎トライアスロン大会 レース当日Run&レース翌日編

2週間掛かりました、ここに来るまで。。そう、あれからまだ2週間しか経ってないのですね。なんだか物凄い昔話のような気がします・・・
そんなこんなで、調子の良いBikeからRunへとトランジットしました。どうかな、行けるかな。。持久系のエンデュラインスポーツというのは、常にこうやって自分自身に語りかけながら慎重に前へ進みます。うん、なんか調子良いみたい。いつもは走り始めに痛みの出る、腰、足の小指からくるぶしまでの辺り、、今回は全く痛みがありません。Runスタートの中央公園から、小さなストライドと腰を落としたフォームを意識して、公園の周回、空港脇の周回と、順調に鬼岳の周回コースへと進みます。
空港の周回コースで、およそ5km程の差で前を行くTeamメンバー二人を確認。うん、このままのペースで行けばパス出来るはず。そのまま、km5分弱くらいのペースで15km過ぎまで。


この辺りからきつくなってきたかな。。16kmを過ぎる頃から徐々にペースダウン。18km近辺からの登りは本当に厳しい。。まだあと1周あるのに、これではやばいなぁ、、って感じ。何とか福江市街に戻ってきたけど、これからまだ20km弱も残っている。特に厳しかったのが、武家屋敷通りの辺り。大きい通りに出た頃、完全に目の前が真っ暗になり、頭から血の気が引いていく感じになりました。やばい!脱水寸前なのと、貧血まで起こしているし。。体温が上がらなかったので、ほんのちょっとの水分補給を怠っていたのか、、それとも前半のペースが飛ばし過ぎだったのか。。
この後、25kmのスペシャルエイドの地点までは、頭をかきむしりつつ、頬っぺたを叩きつつ、意識が遠くならないように何とか走り続けます。それでも、エイドに入ってからはしばらくスタート出来ませんでした。。結局、この後の30km地点までは、1km以上走り続けることが出来ずに相当歩いてしまったかも。。後から思えば、気付かぬうちに体が冷えていて、補給をしても体力に結びついていなかったのでしょうね。。
そんな、歩いて、ちょっと走ってを繰り返していると、ホント自分が情けなくなってきて、ここでもまた一人トボトボ歩きながら涙が出て来ました。。「俺は五島まで歩きに来たんじゃない!!」そんな葛藤を繰り返し、ふと寒いんじゃないかなと思って、Bikeの時に着けていたアームカバーを再び腕へ。。これが効きましたねぇ。今までの5kmが嘘のように、脚がピョンピョンと跳ねるように前へ出ます。その後の10km強は、今までのレースで一番納得のいくRunを走ることが出来ました。最後のエイドも、本当はもう寄らなくてもいいのですが、なんだかついつい。。一口の水を頂いた後、ボランティアの方々に「今日は一日雨の中を本当に有難うございました!!」と、大きな声とおじぎでお礼を述べると、「お疲れ様!良く頑張ったね。また来年も走ってね」と。もう流す涙もありません。残りは1km弱。12時間台で入るには、km5分で行くしかありません。ここからはホントに走った走った。。
五島高校のお城が見えてきて、スタッフの誘導に従ってゴール会場に向かいます。既にゼッケンがスタッフのリレーでゴール本部席に伝えられ、遠くからMCミッキーの実況が聞こえてきます。。「ゼッケン番号○○番。もうあとわずかでゴール」ここまではいいのですが、、、この後私のフルネームを絶叫し「男見せろ〜〜〜!!」とのたまう我が代表のミッキー。えぇ、最後は満面の笑顔と、渾身の力を振り絞りこの長い旅のゴールテープを切ることが出来ました。やった〜〜〜〜!


目の前の時計は何とか12時間57分とちょっと。480人がスタートを切って、137位でゴールへ。。きつかったし、辛かったし、脚のマメは潰れてそうだし、それでもあっという間で至福の時間を過ごさせて頂きました。。ホント、ゴールの瞬間って、走馬灯のように1日のことが脳裏によぎり、感謝の気持ちで一杯になります。
結局ラストスパートが効き、過呼吸状態でスタッフ2人に肩で支えて頂きながら、マッサージをしてくれる体育館へ収容されました。。
呼吸がだんだんと落ち着いてきて、意識もはっきりとしてきた頃、背中から丹念にマッサージを受けながらも急に嗚咽するように涙が溢れてきました。安堵感、そしてボランティアの方々への感謝の気持ち。後は、この半年の練習のことかな。。そんな色んな思いが交錯して涙が出て来たのでしょう。。
20分程マッサージをして頂き、何度もお礼を言って体育館を後にしました。。この後、その場で後続のメンバーのゴールを応援しようと思いましたが、雨と汗でドロドロの状態だったので、一旦ホテルへ戻り、速攻でシャワーを浴びてゴール会場へ戻りました。



雨の中、傘をさしつつたっくさんの感動のゴールを応援させて頂きました。最高に感動したのは、制限時間1分ちょっと前に、ゴールに向かって走ってきた旅烏さんこと、謝さんのゴール。あの状態でBikeを走り抜き、全ての関門を精神力でクリアし、残り1分ちょっとできちんと完走するあたり、よほどのタフガイでなければ出来ません。こちらも感動を頂きました。。
制限時間15時間のカウントダウンが始まり、最後は大雨が降る中、第1回バラモンキング 五島長崎トライアスロン大会が終わりを告げました。。長い長い1日でしたね。。選手、大会関係者、そして何よりボランティアスタッフの方々、1日本当にお疲れ様でした!!
興奮の夜が明け、結局12時過ぎに寝ても、4時過ぎには目が覚めてしまいました。レース翌日はいつもこう。。体がまだ興奮状態なんでしょうね。
レース翌日は、Bike引取り、メンテナンス、梱包、宅配便への発送手続きと朝から大忙しです。。


昼前に、アワードパーティの会場へ。ここでもがっつりと美味しい食事を済ませ、一足先に飛行機で帰るTeamメンバーにお別れを告げて福江港のターミナルまで。。


ここでは今までの滞在では見たことのない日差しの中、昨晩飲めなかった缶のハイボールを、港で海風にあたりながらちびりと。ジェットフォイルを待つ間、ゆったりとした時間を楽しめましたとさ。。
その後長崎港に着き、路面電車とバスを乗り継ぎ長崎空港まで。。ちょっとあまりに待ち時間が長かったなぁ。。。


いつも空港で寄るこのお店。でも、ここでは初めて皿うどんを食べてみました。。美味過ぎ!!ビールも最高!極上の旅の終わりが近づいています。。。


その後羽田へ向かう機内では、とってもキレイな夕焼け雲を見ることが。。雨に降られた4日間でしたが、記憶に残るレースが出来たのではないかと思います。
今年、アイアンマンではなくなってしまったこの大会。それでも距離は一緒、過酷さも一緒のこのレース。選手も、島の誰もがいつものアイアンマンと同じ達成感を感じたことと思います。福江島に根付いたトライアスロン。島外の我々も、この新しい文化を絶やす事無く、福江島の皆さんへ出来ることをして行きたいと思う今回のレースでした。。

ようやくレースレポートが完了。まだまだ記憶の中の書きたいことはてんこ盛りですが、、残りは胸にしまって、明日からはまた普段の日常を綴っていきたいと思いまする・・・