お帰りなさい!

今日、ある人にそんな風に声を掛けさせて頂いた。
自分が以前出向していた、エンジニアリング会社の上司にである。
当時、取締役事業部長だった彼も、癌を患い一線を退き療養をしていた。そんな彼が、徐々に復活し何かの用件でうちのフロアの専務室に来ていた。
厳しく、部下の頃何度叩きのめされたか分からない。しかし今もなお、最も尊敬の出来る上司でありエンジニアである。
顔を見た瞬間、失礼だが思ったより元気そうだった。
彼「どや、見ての通り病人や」
自分「聞いてました。すいません、挨拶にも行けず。でも、本当にお帰りなさい」
彼「ボチボチやな。見ての通りなんやから、あんまりいじめんといてな」
関西人らしい彼とのやり取りの後、彼はオフィスの扉から外へ出て行き、その間自分は直立不動のまま彼を見送った。
とにかく嬉しかった。何がって、それは彼の毒々しさが、まだ十分に感じられたこと。多分それって゛生゛へのエネルギーなのかもしれない。そんなものを彼が放っている気がしてならなかった。
最近、そんな畏怖の念を感じてしまう程の上司が少なくなってきたかな。
どんなに叩きのめされても、この人だけには頭が上がらない。そんな人との出会いがあったこと。自分にとっては一番の財産なのかもしれない。
願いが叶うならば、今一度あの会社に戻り、彼のもとでシステムを一からやり直したい。今のうちの会社にとって、かけがえのない人物の一人だと自分はそう思っている。だからこそ、今日の彼に会えたことは本当に嬉しい。。。